鉄道唱歌 北陸編 第64番 鯖江市・越前市(武生)・南越前町をゆく

鉄道唱歌 北陸編の歌詞を、わかりやすく解説してゆきます!
鯖江・武生などの地理について、初心者の方にもやさしく解説してゆきます!

↓まずは原文から!

おお土呂どろ鯖江さばえあとにして
武生たけふ鯖波さばなみはしりゆく
汽車きしゃいまこそ今庄いまじょう
つきてひうちしろ

さらに読みやすく!

おお土呂どろ鯖江さばえ あとにして
武生たけふ鯖波さばなみ はしりゆく
汽車きしゃいまこそ 今庄いまじょう
つきてひうちの しろ

さあ、歌ってみよう!

♪おおどろさーばえ あとにしてー
♪たけふさばなみー はしりゆくー
♪きしゃはいまこそ いまじょうに
♪つーきてひうちの しろもみつー
IRいしかわ鉄道線)
金沢駅→松任駅→美川駅→小松駅→動橋駅→大聖寺駅

(ハピラインふくい線)
大聖寺駅→細呂木駅→芦原温泉駅(旧・金津駅)→福井駅→大土呂駅→鯖江駅→武生駅→南条駅(旧・鯖波駅)→今庄駅→(北陸トンネル)→敦賀駅

(北陸本線)
敦賀駅→新疋田駅→近江塩津駅→余呉駅→木ノ本駅→長浜駅→米原駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記
※北陸トンネル・新疋田駅・近江塩津駅・余呉駅は、鉄道唱歌の当時とはルートが異なります

福井駅を出て、敦賀方面へ

福井駅を出ると、ここからはまた旧・北陸本線のハピラインふくい線を通り、敦賀つるが方面へ向かってゆきます。
北陸地方の鉄道旅も、いよいよ大詰めに近づいてゆきます。

そして、

  • 大土呂駅おおどろえき(福井県福井市)
  • 鯖江駅さばええき(福井市鯖江市)
  • 武生駅たけふえき(福井県越前市)
  • 南条駅なんじょうえき(福井県南条郡南越前町)
  • 今庄駅いまじょうえき(福井県南条郡南越前町今庄)

といった駅を進んでゆきます。

「日野川」に沿ったルート

今回のこのルートは主に、日野川ひのがわに沿ったルートになります。

日野川(福井県・越前地域)

日野川(福井県・越前地域)

この日野川は、

  1. 越前地域を北上してゆき、
  2. 福井市内で足羽川あすわがわと合流した後、
  3. さらに九頭竜川くずりゅうがわと合流して、
  4. 日本海に注ぐ

という川になります。

かつて「鯖波駅」と呼ばれた南条駅

歌詞にある鯖波さばなみとは、現代の南条駅のことをいいます。

南条駅は、明治時代の開業当初は鯖波駅という名前でした。

2024年以降は、北陸本線から「ハピラインふくい」の区間に

なおこの区間は、2024年に北陸新幹線敦賀まで延伸開業したため、第三セクターの

  • ハピラインふくい

に経営が移管され、JR線(北陸本線)ではなくなりました。

これにより青春18きっぷの使用ができなりましたので、旅行に行くときはこのことは念頭に置いておきましょう。
したがってこの区間を走行する場合、別途乗車券を購入する必要がでてきます。


また、これに伴って日本海側の鉄道路線は、新潟県の直江津なおえつから敦賀までは、延々と第三セクター線の路線ということとなりました。
したがって、JRつまり(青春18きっぷで移動できる範囲)も、かなり限定されることとなってきます。

そのため、直江津~敦賀日本海沿いの旅をするときは、普通乗車券の購入予算を余分に計上しておいたりする必要が出てきます。


また、やや遠回りではありますが、内陸部のJR線を利用する(例:飯山線、篠ノ井線、大糸線、中央線、高山線など。ただし本数や所要時間は時刻表で要チェック)方法もあります。

その他、素直に新幹線に乗る、または高速バスなど代替の交通手段を検討する、などのアイデアも必要となってきます。


旅行のときは予算やスケジュールとの兼ね合いで、たくさん路線や所要時間を調べたり、頭を使って考えたり比較検討する必要がでてきます。

逆にこれらの作業が楽しいと感じられれば、あなたは上級の旅行者でしょう。

余談:なるべくJR線だけで直江津から敦賀へ向かうルート

まあ、直江津なおえつ(新潟県上越市)から敦賀まで

できるだけJR線で(大部分を「青春18きっぷ」にこだわって)行く

という場合は、

直江津→(信越本線)→宮内→(上越線)→越後川口→(飯山線)→豊野

※北しなの線:豊野→長野 260円

長野→(篠ノ井線)→塩尻→(中央西線)→金山→(東海道線)→米原→(北陸本線)→敦賀

みたいなルートを考えるのも面白いです。

しかし非常に遠回りなので、体力と時間のある方や、真の「乗り鉄」さんのみ推奨です。
また、豊野→長野の区間は「北しなの線」の区間なので、ここは別途料金(260円)が発生しますので、注意しなければなりません。

メガネフレームの名産地・鯖江市

ハピラインふくい線・鯖江駅(福井県鯖江市)

ハピラインふくい線・鯖江駅(福井県鯖江市)

福井県鯖江市さばえしは、メガネフレームの生産でも有名です。
つまり、我々が着用するメガネのうち、「枠部分(フレーム部分)」をたくさん作っている、というわけです。

つまり鯖江市で作っているのはメガネのレンズではないため、注意しましましょう。レンズ部分は、あくまで他の地域やメーカーで作られることが多いです。

日本一のメガネフレーム生産地・鯖江市

メガネフレームの生産量日本一は、ここ福井県鯖江市になります。
鯖江市のメガネフレームは、日本のメガネフレーム生産における、実に9割以上を占めています。

鯖江市では、明治時代の1905年に眼鏡を作って売り、生活のかてにするという、いわゆる「眼鏡産業」が始まりました。
それが今や、世界三大眼鏡産地の一つとして数えられています。

つまり、鯖江のメガネは日本のみならず

世界からも認められている

ということです。

日本のみならず、世界からも認められる鯖江のメガネ産業

鯖江の眼鏡は、高い技術力デザイン力で知られており、それは海を飛び越えて、世界中で愛用されています。

特に高級なメガネであるメタルフレームの技術力は、世界でも屈指とされています。
それは「難しいモノでも作れる」高い加工技術と、熟練した職人によって作られています。
それは世界的に高く評価されています。
スゴいですね。

かつて鯖江に存在した「鯖江神社」

なお鯖江市には、かつて江戸時代に

  • 鯖江陣屋さばえじんや

がありました。

「陣屋」とは?

陣屋じんやとは、何らかの理由でお城が建てられない場合に建てるやかたのようなものです。

江戸時代は、お城を持つことが厳しく制限された

江戸時代は、軍事目的からお城を新たに造ることが厳しく制限されていました
それどころか、お城の改修すら幕府の許可が必要だったのです。

その理由は、強いお城を建てられたりバージョンアップされたりすると、幕府の脅威となるからです

江戸幕府は、あの手この手で、大名たちの力を削いでいた

江戸時代になると、関ヶ原の戦いで徳川の敵側(西軍)についた藩や大名は遠くに飛ばされてしまい(外様大名)、様々な冷遇を受けていたことから、幕府に対して恨みを持っている可能性もありました。

そのため、幕府はあの手この手で、各藩に力を付けさせないようにしていたのでした

お城を持てたのは、基本的に三万石以上の大名(例外もあり)

ちなみにお城は、3万石以上あれば持てたはずです。
逆にいえば、3万石未満であればお城を建てることや保持することは、幕府から認められませんでした。

鯖江藩さばえはん5万石ありましたが、なぜお城を持てなかったのか謎ですね。
何らかの理由で幕府から城建設の許可が出なかったのか、それとも陣屋を建てた後に5万石に増えたのか。

あなたはどう考えるでしょうか。

三万石以上あっても、お城を持てない 大名もいた

なお、江戸時代はたとえ三万石以上の石高を持っていたとしても、お城を持てない大名もいました

江戸時代には、たとえ万石の条件をクリアしていたとしても

  • 大名の家格(家のランクなど)
  • 幕府の政策

などによって、城を持つことが許される大名と、許されない大名がいたのでした。
このあたりは、色々複雑だったのだと思われます。

かつての越前国の中心地・武生

やがて、武生駅たけふえき(福井県越前市)に着きます。

ハピラインふくい線・武生駅(福井県越前市)

越前市の武生たけふには、かつて越前国えちぜんのくに国府こくふが置かれていました。

越前国えちぜんのくにとは、現在の福井県の北東部のことを言います。
一方、福井県西部のことを、若狭国わかさのくにと言います。

国府こくふとは、その「国」の中心機関であり、現在で言うところの「都道府県庁」のようなものです。

くにとは、奈良時代の律令制における エリア分けであり 現代で言うところの 都道府県に該当します。

つまり武生駅のある越前市は、かつての越前国の中心地域だったと言えます。
そして、越前市の名前は、まさにかつてこの地に越前国の国府があったことに由来しています。

越前市は、かつて紫式部むらさきしきぶが幼少期を過ごした場所として知られます。

かつて義仲が戦った燧城(ひうちじょう)

やがて燧城ひうちじょうに近い、今庄駅に着きます。

燧城は、これまで何度も説明してきた木曽義仲きそよしなかが、平氏に敗れてしまった城です。

燧城はそこそこ堅牢けんろうな城だったらしいのですが、平氏に破れてしまい富山県の方まで大きく敗退・後退を余儀なくされました。


その後、義仲は、倶利伽羅山くりからやまで500の牛に火を付けて平氏軍を撃退するなどの快進撃が始まりました。

詳しくは鉄道唱歌 北陸編の倶利伽羅山くりからやま」のところで解説していますので、ご覧ください。

鉄道唱歌 北陸編 第53番 「火牛の計」 義仲が500の牛に火を付けて戦った倶利伽羅山
鉄道唱歌 北陸編の歌詞を、わかりやすく解説しています!鉄道の知識のみならず、歴史や旅行を楽しむためのノウハウを、鉄道に詳しくない人でも楽しめるよう解説してゆきます!

滋賀県・琵琶湖方面との県境「栃ノ木峠」

また、この辺りまで来ると、滋賀県との県境も近くなります。

滋賀県との県境に、

  • 栃ノ木峠とちのきとうげ

という峠があります。

栃ノ木峠とちのきとうげは、福井県と滋賀県の間にある峠で、この県境付近は淀川よどがわの源流があります。

私(筆者)は淀川のはじまりはてっきり琵琶湖だと思っていたのですが、実はさらに上流があり、この福井県との県境である栃ノ木峠付近がまさか淀川の源流とは知りませんでした(最近知りました)。


列車はやがて、北陸トンネルに入り、敦賀方面へ向かってゆきます!

ちゅうい!おわりに

この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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